日本骨密度プロジェクト

骨密度を学ぶ / 骨密度を上げるには

骨密度を上げるには?
食事・運動・日光の基本

骨密度のために何をすればいいのか。答えは特別なものではなく、栄養・運動・日光という、体をつくる基本的な要素に集約されます。ただし、年齢によって期待できることは違います。ここではまずその前提を共有したうえで、日常でできることを整理していきます。

骨の内部構造が密に整っていく様子を示したイメージ
骨は作り替えられ続けています。だからこそ、日々の積み重ねが関わってきます。

まず前提:年代でできることが違う

「骨密度を上げる」という言い方をしますが、実際にどこまで期待できるかは、その人がいまどの時期にいるかによって変わります。ここを最初にはっきりさせておきます。

〜20代 骨量が増える時期。蓄えを増やせるもっとも大事な時期です
30〜40代 高い骨量を保つことが目標になります
50代〜 減少が進む時期。減り方をゆるやかにすることが現実的な目標です

中高年になってから生活を整えても意味がない、ということではまったくありません。同じ年齢でも、骨に必要な材料と刺激が足りている人とそうでない人とでは、その後の減り方に差が出ます。「増やす」より「守る」――この考え方のほうが、実態にも近く、続けやすくもあります。

すでに数値が低いと言われている場合

骨粗鬆症と診断されている場合や、骨折の経験がある場合は、生活習慣の見直しだけでは十分でないことがあります。必要な治療は医師が判断します。このページの内容は、医療機関での相談に代わるものではありません。

栄養:骨の材料をそろえる

骨をつくるには材料が要ります。カルシウムがよく知られていますが、それだけでは骨になりません。いくつかの栄養素が組み合わさってはじめて骨が形づくられます。

牛乳、小魚、大豆製品、青菜など骨の材料になる食品を並べたイメージ
特別な食品は必要ありません。日常の食卓にあるもので組み立てられます。

カルシウム:骨そのものの材料

成人でおおむね650〜800mg程度が1日の目安とされています(年齢・性別により異なります)。ところが日本人の平均摂取量は長らくこれを下回っており、多くの人にとって足りていない栄養素です。

おもな食品に含まれる量の目安です。

食品 分量の目安 カルシウム量の目安
牛乳コップ1杯(200ml)約220mg
ヨーグルト1カップ(100g)約120mg
プロセスチーズ1切れ(20g)約130mg
ししゃも3尾(60g)約200mg
しらす干し大さじ2(10g)約50mg
木綿豆腐1/3丁(100g)約90mg
納豆1パック(50g)約45mg
小松菜1/4束(70g)約120mg

※食品成分表にもとづくおおよその値です。品種や調理法によって変わります。

表を見ると分かるように、1食で目安量を満たそうとするより、3食に分けて少しずつ重ねるほうが現実的です。朝に牛乳かヨーグルト、昼か夜に豆腐か青菜、といった組み合わせで積み上がっていきます。

ビタミンD:カルシウムの吸収を助ける

カルシウムを摂っても、吸収されなければ骨には届きません。その吸収を助けるのがビタミンDです。魚(さけ、さんま、いわしなど)やきのこ類に多く含まれます。後述するように、日光を浴びることで皮膚でもつくられます。

ビタミンK:骨の質に関わる

骨のたんぱく質のはたらきに関わる栄養素です。納豆や青菜(小松菜、ほうれん草、ブロッコリーなど)に多く含まれます。

たんぱく質:骨の土台をつくる

骨は、コラーゲンというたんぱく質の枠組みにミネラルが沈着してできています。カルシウムばかりを意識してたんぱく質が不足すると、土台のほうが足りなくなります。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品をバランスよく。

サプリメントについて

食事で足りない分を補う手段としてサプリメントがありますが、多く摂るほど良いというものではありません。とくにカルシウムは、目安量を大きく超える摂取は勧められていません。持病がある方や薬を服用中の方は、利用前に医師や薬剤師にご相談ください。

運動:骨に刺激を与える

材料をそろえるだけでは足りません。骨は、力がかかることではじめて「丈夫でいよう」とする性質を持っています。宇宙飛行士が無重力の環境で骨量を大きく減らすことが知られていますが、これは荷重がかからないことの影響です。

歩く・軽く膝を曲げる・片脚で立つという3つの動作を示したイメージ
特別な器具は要りません。自分の体重を骨にかけることが基本です。

骨に向いている動き

水泳や自転車はどうか

どちらも全身の健康にとって良い運動です。ただし骨への荷重刺激という点では弱くなります。水中では浮力が働き、自転車ではサドルが体重を支えるためです。骨のことを考えるなら、歩く・立つといった体重のかかる動きを別に取り入れるとよいでしょう。

無理をしないこと

骨密度が低いと指摘されている方が急に激しい運動を始めると、かえって骨折につながる危険があります。ひざや腰に痛みがある場合、持病がある場合、すでに骨粗鬆症と診断されている場合は、始める前に医師に相談してください。転倒しない環境で行うことも大切です。

日光:ビタミンDをつくる

ビタミンDは食事から摂れるほか、日光を浴びることで皮膚でもつくられます。屋内で過ごす時間が長い生活では、この分が不足しがちです。

穏やかな日ざしのなかを歩く人のイメージ
買い物や散歩など、屋外で過ごす時間そのものが役に立ちます。

必要な時間は、季節・地域・時間帯・肌の露出面積によって大きく変わるため、「何分」と一律に言うことはできません。冬場や北の地域では、同じ効果を得るのにより長い時間が必要になります。

実践としては、散歩や買い物など、屋外で過ごす時間を日常のなかに確保するという程度の意識で十分です。日焼けするほど浴びる必要はありません。日焼け止めを使っている場合や、日光を避ける必要がある事情がある場合は、食事やサプリメントからの摂取について医師に相談してください。

見直したい習慣

足すことだけでなく、減らしたほうがよいものもあります。

いずれも「骨のためだけ」の話ではなく、体全体の健康に関わることばかりです。骨を意識することが、結果的に生活全体の見直しにつながっていきます。

効果が見えるまでの時間

ひとつ知っておいていただきたいのは、変化がすぐには数値に出ないということです。

骨の作り替えは、1周期におよそ数か月かかります。生活を変えても、その結果が骨密度という数値に反映されるまでには相応の時間が必要です。1か月後に測り直しても、変化は測定の誤差に埋もれてしまいます。

だからこそ、短期間で結果を求めるより、続けられる形にすることのほうが重要です。毎日牛乳を1杯、買い物は歩いて行く――その程度のことでも、続けば積み重なります。測定で確かめる場合は、半年から1年程度の間隔を置いて、同じ方法・同じ施設で比べるのが基本です。

よくある質問

骨密度は生活習慣で上げられますか?

年代によって期待できることが異なります。若い世代では蓄えを増やすことが期待できますが、加齢による減少が始まったあとは、減り方をゆるやかにして今ある骨量を保つことが現実的な目標になります。すでに骨粗鬆症と診断されている場合は、医療機関での治療が必要になることがあります。

カルシウムをたくさん摂れば摂るほどよいのですか?

そうではありません。サプリメントなどで目安量を大きく超えて摂ることは勧められていません。まずは食事から日常的に摂ることを基本に考えてください。

牛乳が苦手です。ほかで補えますか?

補えます。豆腐や納豆などの大豆製品、小松菜などの青菜、しらすやししゃもなどの小魚にもカルシウムは含まれています。ひとつの食品に頼らず、複数を組み合わせるほうが続けやすくなります。

運動はどのくらいの頻度で行えばよいですか?

強度や回数より、続くことのほうが大切です。日常生活のなかで歩く時間を増やす、立ち座りの動作を意識する、といったところから始めてください。持病がある方や骨密度が低いと指摘されている方は、始める前に医師に相談してください。

効果はどのくらいで出ますか?

骨の作り替えは1周期に数か月かかるため、数値に表れるまでには相応の時間がかかります。測定で確かめる場合も、半年から1年程度の間隔を置くのが一般的です。

参考

  1. 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(日本骨粗鬆症学会/日本骨代謝学会 ほか)
  2. 日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
  3. 日本食品標準成分表(文部科学省)
  4. 国民健康・栄養調査(厚生労働省)

※本ページは一般的な健康情報の提供を目的としたものです。食事や運動の具体的な内容については、持病や体の状態によって適否が異なります。診断・治療については医療機関にご相談ください。

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